ヒャッハー!ふっくら太郎です。

ソフトウェアテストやその他諸々について、適当に書いています。

JSTQB Advanced Level シラバス(テストマネージャー)を読む その7.テストマネジメント編③

こんちは。ポーランドの不死鳥 ふっくら太郎です。 

 

2017年8月26日(土曜)に実施されるJSTQB AdvancedLevel試験 テストマネージャー受験に向け、短期集中で、JSTQB Advanced Level シラバス(テストマネージャー)についての記事を上げていきたいと思います。

今回は、「テストマネージメント」の「2.4 テストドキュメントとその他の成果物」を読み解きたいと思います。

[JSTQB AdvancedLevel テストマネージャー シラバス]

・ISTQBテスト技術者資格制度
 Advanced Level シラバス 日本語版 テストマネージャ Version2012.J03

http://jstqb.jp/dl/JSTQB-Syllabus.Advanced_TM_Version2012.J03.pdf

 

2.4 テストドキュメントとその他の成果物

  • テストドキュメントの種類

   ・テストポリシー

    →テストの目的と目標を記述している。

   ・テスト戦略

    →プロジェクトに依存しない組織の一般的なテスト方法を記述している。

   ・マスターテスト計画(またはプロジェクトテスト計画)

    →特定のプロジェクトに関するテスト戦略の実装について記述している。

   ・レベルテスト計画(またはフェーズテスト計画)

    →各テストレベルで実行する特定の活動を記述している。

2.4.1 テストポリシー

  • 記載内容

   ・組織がテストを行う理由、目的。

   ・品質に関連するマネジメントの全体的な価値と目標。

    →組織がテストから得られる価値の要約。

    →ソフトウェアの確信度合いの構築、ソフトウェアの欠陥の検出、品質リスク

     のレベルの軽減などテストの目的。

    →目的を達成するためのテストの有効性と効率性を評価する方法。

    →ベースとして一般的なテストプロセスの概要。

    →組織がテストプロセスを改善する方法。

  • 作成者

   ・上級テストマネジメントスタッフがテストステークホルダグループの上級

    マネージャと協力して作成する。

  • 適用範囲

   ・新規開発用テスト。

   ・保守用テスト。

2.4.2 テスト戦略

  • 記載内容

   ・組織の一般的なテスト方法。

   ・プロダクトおよびプロジェクトのリスクマネジメント、テストレベルへの分

    割、およびテストに関する上位の活動内容。

   ・各テストレベルの開始基準、終了基準。

  • 主なテスト戦略
テスト戦略 特徴
分析的戦略 テスト分析技法として、リスクベースドテストや、要件ベースドテストを用いて、テストベースを分析し、カバーするテスト条件を決める。
モデルベースド戦略 運用プロファイルなどをもとに、システムが存在する環境、システムに対する入力と条件、および本来のシステムの動作方法の各モデルを作成し、カバーするテスト条件を決める。
方法論的戦略 ISO 9126の品質特性などをベースに、カバーするテスト条件を決める。
対処的戦略 各テスト担当者には一連のテストチャータが割り当てられ、それを使用して探索的テストセッションを構築する。
コンサルテーションベースの戦略 ステークホルダの入力に依存して、カバーするテスト条件を決定する。
回帰的テスト戦略 回帰のリスクをマネジメントするためのテスト方法(自動テストなど)を決める。
  • テスト戦略で示す内容

   ・統合手順
   ・テスト仕様化技法
   ・テストの独立性(テストレベルによって異なることがある)
   ・必須の標準および任意の標準
   ・テスト環境
   ・テスト自動化
   ・テストツール
   ・ソフトウェア成果物およびテスト成果物の再利用性
   ・確認テスト(再テスト)および回帰テスト
   ・テストのコントロールおよびレポート
   ・テストの測定指標およびメトリクス
   ・欠陥マネジメント
   ・テストウェアの構成管理アプローチ
   ・役割と責任

  • 備考

   ・記載するテストプロセスは、テストポリシーと一貫してなければならない。

2.4.3 マスターテスト計画

  • 記載内容

   ・特定プロジェクトへのテスト戦略の実装方法(テストアプローチ)

   ・テストポリシーおよびテスト戦略との逸脱や例外事項。

  • マスターテスト計画で示す内容

   ・テストするアイテムおよびテストしないアイテム
   ・テストする品質特性およびテストしない品質特性
   ・テストスケジュールおよび予算
   ・テスト実行サイクルおよびソフトウェアリリース計画との関連
   ・テストを行う人々や部署と他の人々や部署との関連性と提出書類
   ・テストレベルごとのテストアイテムの対象範囲
   ・それぞれのテストレベルに対する個別の開始基準・終了基準。各レベルの関係
   ・テストプロジェクトリスク
   ・テスト活動の全体的な管理
   ・各テストレベルを実行する責任の所在

2.4.4 レベルテスト計画

  • 記載内容

   ・それぞれのテストレベルで実行する特定の活動。

   ・個別のテストレベルまたはテストタイプに関して、マスターテスト計画を詳細

    化した内容。

  • 備考

    ・アジャイルプロジェクトでは、スプリントテスト計画またはイテレーション

    スト計画が、レベルテスト計画に該当する場合がある。

2.4.5 プロジェクトリスクマネジメント

  • テストマネージャが軽減できるプロジェクトリスク

   ・テスト環境およびツールの準備
   ・テストスタッフの調達能力と資質
   ・テスト活動に対する標準類、ルールおよび技法の欠如

  • プロジェクトリスクマネジメントへのアプローチ

   ・早期のテストウェアの準備

   ・テスト環境の事前テスト

   ・プロダクトの初期バージョンに対する事前テスト

   ・テストの開始基準の厳格化

   ・試験性要件の強化

   ・早期のプロジェクト成果物のレビューへの参加

   ・変更管理への参加

   ・プロジェクトの進捗および品質のモニタリング

   ・可能性や影響を減らす予防対策でリスクを軽減する。

   ・コンティンジェンシープランを作成して、リスクが現実化した場合の影響を軽

    減する。

   ・リスクの移行。

   ・リスクを無視する、または受け入れる。

2.4.6 その他のテスト成果物

  • 主なテスト成果物

   ・欠陥レポート

   ・テストケース仕様書

   ・テストログ

  • 作成者

   ・テストアナリストとテクニカルテストアナリスト

  • テスト成果物に対するテストマネージャの活動

   ・成果物の品質を監視するメトリクスの計測、モニタリング

   ・成果物の適切なテンプレートの選択、カスタマイズ

   ・テスト、ログ、およびレポートの詳細度、取得、保存方法の検討

   ・テスト成果物のレビュー

  • 備考

   ・主なテスト文書化の範囲、種類、および特性に影響する要因

    →ソフトウェア開発ライフサイクル

    →プロダクトリスク

    →プロジェクトリスク

   ・テスト成果物のテンプレートは、IEEE 829 [IEEE829]などのさまざまな資料に

    基づいて作成できる。組織、プロジェクトに合わせて改定して使用する。

まとめ

  • テストドキュメントの種類

   ・テストポリシー

   ・テスト戦略

   ・マスターテスト計画(またはプロジェクトテスト計画)

   ・レベルテスト計画(またはフェーズテスト計画)

   ・テストマネージャの活動により、一部のプロジェクトリスク軽減が可能。

  • 主なテスト成果物の種類

   ・欠陥レポート

   ・テストケース仕様書

   ・テストログ

  • テスト成果物は、IEEE 829 [IEEE829]など、標準的なフォーマットを用いる、または改変することで、組織内のプロセス統一、成果物作成のトレーニング工数を減らすことができる。