JSTQB Advanced Level シラバス(テストマネージャー)を読む その10.レビュー
こんちは。香港から来た真珠こと ふっくら太郎です。
2017年8月26日(土曜)に実施されるJSTQB AdvancedLevel試験 テストマネージャー受験に向け、短期集中で、JSTQB Advanced Level シラバス(テストマネージャー)についての記事を上げていきたいと思います。
※もし本ブログを読んでいる稀有な方がいらっしゃれば、すみません。
8/26(土)までに全部終わらないっす。
今回は、「レビュー」を読み解きたいと思います。
[JSTQB AdvancedLevel テストマネージャー シラバス]
・ISTQBテスト技術者資格制度
Advanced Level シラバス 日本語版 テストマネージャ Version2012.J03
http://jstqb.jp/dl/JSTQB-Syllabus.Advanced_TM_Version2012.J03.pdf
3. レビュー
3.1 イントロダクション
- レビューとは何か?
・静的テストの一種。
・成果物ではなく、ソフトウェアプロセスを測定、評価する活動。
・プロジェクトの開始前、期間中を通して行う活動。
- レビュー参加にあたって・・・
・テスト担当者は、テストを通じて、運用での動作、仕様について熟知している
ため、レビュープロセスに積極的に参加すべし。
・レビュー参加者はトレーニングを受け、レビュープロセスについて、理解しな
ければならない。
- レビューの効用
・レビューは効果的に行うと、ソフトウェア全体の品質が向上する。コスト効率
が高い活動。
- プロジェクト内のレビューの種類
レビューの種類 | 内容 | レビュー開催タイミング |
契約レビュー | ソフトウェア契約に関するレビュー。 | プロジェクト開始時およびマイルストーン |
要件レビュー | 機能要件、非機能要件に関するレビュー。 | レビューが行える状態になれば。 |
基本設計レビュー | アーキテクチャ設計についてレビューする。 | レビューが行える状態になれば。 |
詳細設計レビュー | 詳細設計についてレビューする。 | レビューが行える状態になれば。 |
コードレビュー | ソースコードをレビューする。 | 実装中、または実装完了後。 |
テスト成果物レビュー | テスト計画、条件、品質リスク、テスト仕様書、テスト結果に関する成果物、テストエビデンスが対象。 | 各成果物作成後。 |
テスト開始・終了レビュー | テスト実行前、テスト終了後。 | テスト実行前、テスト終了後。 |
受け入れレビュー | システムの内容について問題が無いことを顧客、ステークホルダから合意を取るために行う。 | 受け入れテスト終了後。 |
- レビューを行うにあたって
・1つのプロジェクトでレビューは複数の種類使用される。
・レビューはドキュメントの欠陥を検出するためだけでは無く、静的解析や机上
デバックなどの、他のテスト技法と掛け合わせてることで、テストカバレッジ
が向上する。
3.2.マネージメントレビューと監査
- マネージメントレビューの目的
・進捗状況のモニタリング
・プロジェクト状態の評価
・将来に関する意思決定
→適用するリソースの度合い
→是正措置の実行
→プロジェクトの対象範囲の変更
- マネージメントレビューの特徴
・プロジェクトまたはシステムに直接責任を持つマネージャまたはその代理が実
行する。
・ステークホルダや意思決定者、またはその代理が実施する。
・計画との整合性またはその逸脱をチェックする。
・マネージメント手順の妥当性をチェックする。
・プロジェクトリスクをチェックする。
・アクションの影響と、影響の測定方法を評価する。
・アクションアイテムや解決すべき課題、または行うべき意思決定のリストを作
成する。
- 監査の目的
・一定の基準 (適用される標準値、規制、契約義務)に対する準拠を示す。
・プロセス、基準、標準に対して、独立した評価を提供する。
- 監査の特徴
・監査リーダが管理、モデレートする。
・準拠のエビデンスを、ヒアリング、観察、ドキュメントの検査を通じて収集す
る。
・ドキュメントとしての成果には、観察事項、勧告、是正措置、合否アセスメン
トを含む。
3.3.レビューのマネージメント
- レビュー開催タイミング
・プロジェクト開始時およびマイルストーン。
・ビジネス要件定義から詳細設計あたりまで。
・マネージメントメントレビューは、各プロセスの前後、途中で行う。
- レビューポリシー
・テストポリシーおよびテスト戦略との適合が必要。
- レビュー計画作成前に考慮すべきこと
・レビュー対象とするプロダクトとプロセスの検討。
・レビューで召集するメンバー。
・レビューでフォローする関連リスク要因。
・適応するレビュータイプの検討。
→非公式レビュー
→ウォークスルー
→テクニカルレビュー
→インスペクション
・レビュープロセスの予算、投資効果の検討。
→レビューの投資効果は、「レビューを行うのに必要なコスト」と、「レビュ
ーを実施しない場合に、レビューで検出できた欠陥を修正するために必要な
コスト」の差で計算する。
- レビュー実行の最適なタイミング
・レビュー対象のアイテムの、体裁面での完成度合い。
・レビューを行うのに適している担当者の参加可能性。
・アイテムの最終版が利用できるタイミング。
・その特定のアイテムのレビュープロセスにかかる時間。
- テスト計画時に行うこと
・レビュー評価を行うための適切なメトリクスの定義。
・レビュープロセスの目的の定義。
- レビュー参加者に求められること
・技術と手順の両方に関して、適切な知識を有していること。
・細部に対する完全さと注意力があること。
・レビューアが自分の役割と責任を理解していること。
※必要であればトレーニングする。
- レビュー計画
・技術的要因に関するリスクの対処。
・組織的要因に関するリスクの対処。
・レビュー実行時の人的問題に関するリスクの対処。
・技術的知識を持ち合わせているレビュアーの選定。
・レビュアーが受講するトレーニングの計画。
- 公式レビューを行うにあたっての確認事項
・適切な測定指標をレビュー参加者が提供することにより、レビューの評価を効
率よく行う。
・将来のレビューに備えて、チェックリストを作成し、維持する。
・レビュー時に発見した問題の欠陥マネジメントを行うために、欠陥の重要度と
優先度の付け方を定義する。
- レビュー実施後に行うこと
・レビューメトリクスの収集。
・レビューで上がった課題が解決されていることの確認。
・レビューメトリクスを使った、レビューの投資効果 (ROI) を確認する。
・フィードバック情報を関係するステークホルダに提供する。
・フィードバック情報をレビュー参加者に提供する。
・レビューレポートの結果とテストの結果を比較する。
・欠陥を見逃したレビュープロセスの再検討。
3.4 レビューのためのメトリクス
- レビューで評価する項目
・レビュー対象アイテムの品質
・レビュー実施のコスト
・レビュー実施によるメリットの評価
- 測定対象のレビューメトリクス (プロダクト評価用)
・成果物のサイズ (ページ数、コード行数など)
・準備時間
・レビュー時間
・レビュー指摘修正に掛かる時間
・レビュープロセスの期間
・発見した欠陥数とそれらの重要度
・成果物内の欠陥の偏在
・レビューのタイプ
・平均欠陥密度 (ページあたり、またはソースコード1000行あたりの欠陥数など)
・推定残存欠陥数
- 測定対象のレビューメトリクス (プロセス評価用)
・欠陥検出効率
・レビュープロセスの活動とタイミングの改善
・計画した成果物を網羅している割合
・発見した欠陥の種類とそれらの重要度
・レビュープロセスの効果と効率性に関する参加者調査
・レビューで発見した欠陥と、動的テストおよび運用時に発見した欠陥の比に関
する品質メトリクスのコスト
・レビュー効率の相関関係(レビューのタイプと欠陥検出効率)
・レビューア数
・費やした作業時間当たりの欠陥検出数
・プロジェクトで節約される推定時間
・平均欠陥工数(総検出時間と総修正時間を足した時間を総欠陥数で割った値)
3.5 公式レビューのマネジメント
- 公式レビューの6つの活動 (ISTQB Foundation Levelシラバスより)
・計画
・キックオフ
・個々の準備
・レビューミーティング
・再作業
・フォローアップ
- 公式レビューの特性
・定義済みの開始基準と終了基準
・レビューアが使用すべきチェックリスト
・レポート、評価シート、または他のレビューサマリシートなどの提供物
・レビューの効果、効率、および進捗をレポートするためのメトリクス
- 公式レビューの前提条件を満たしていない場合の処置
・目的が変更された場合のレビューの再定義
・レビューを進めるために必要な是正措置
・レビューの延期
まとめ
- 今回も用語を押さえることがメインなので特になし。レビューについての基本事項は過去記事でも取り扱っています。
gokushiteki-softtest.hatenablog.com